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2012年5月5日(土)

きょうの潮流

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 こんな詩を読みました。「今日、/お父さんが、/原発で、/仕事をしなければならなくなった。/ぼくは、/それを聞いて、/心がどきどきした。/二か月帰ってこない。」▼東京の町田市の小学5年生、加々美昌樹さんが書いた「原発」です。「お父さんがげんかんへ行った。/お父さんは、/日本を守るヒーローだ。/ぼくは、/大きな声で、/『いってらっしゃい』/と言った。」▼『子どものしあわせ』6月号に載っていました。複雑な気持ちの「いってらっしゃい」の大きな声が、本当に聞こえてきそうです。お父さんの行く手に建つ原発に、いまの日本のたいへんさを重ねています▼東京のある中学生は、原発で働く息子を被ばくがもとで亡くした女性の話を授業で聞いていました。そこへ、福島の事故です。でも原発がないと困るという人に、確かめたいと思ったそうです。「人よりそんなに電気が大切か」と▼子どものくもりのない感性の中に、真実の宿るときは多い。詩人の故茨木のり子さんは、書きました。「こどもたちの視(み)るものはいつも断片」だから、おとなは視られても「なんにもわかりはしない」と安心するが、彼らは喜びや驚きや神秘、醜さを新鮮に記憶にとどめ、青春期に「すべての記憶を紡ぎはじめる」▼「その時に」と、おとなたちに問いかけます。「父や母 教師や祖国などが/海蛇や毒草 こわれた甕(かめ) ゆがんだ顔の/イメージで ちいさくかたどられるとしたら/それはやはり哀しいことではないのか」


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