「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年3月8日(木)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 「魔法の棒で3回たたき、硬貨を消してみせます」。奇術師が、左の手のひらの硬貨を、右手の棒で打ちます▼さあ、3回目。と、振り下ろされた右手に棒がありません。あれ、消えたのは棒の方? 奇術師は横を向き、首筋に差し込んだ棒を大げさに指さします。なーんだ。次に奇術師は正面を向き、左手のこぶしを棒で3回たたき、ぱっと開きます。硬貨が消えた!▼見物客の注意を、誤った方向にそらす術です。奇術の世界で「ミスディレクション」(誤導)とよぶらしい。客の注意が左手の硬貨に集中している時、右手の棒を隠す。客が消えた棒の種明かしに注目するすきに、硬貨をポケットに落とす―▼劇場外でも、誤導にご用心。すでに法律が通ってしまいましたが、国家公務員の賃下げなど、あてはまります。消費税増税の世論づくりに欠かせないからと、政権も報道界も賃下げ当然の雰囲気をかもしだそうとしました。民間の賃金より高い、と▼しかし、いま日本に求められているのは、民間会社で働く人の賃上げでしょう。派遣などの低賃金の底上げでしょう。人々のくらしと日本を元気づける賃上げです。ところが、公務員に注意をそらす誤導ですりかえられました。公務員にならえと民間の賃金も下げられ、政権の思惑通り増税されたら、くらしも日本もしぼみます▼誤導は、人の心理を利用します。人は動くものを目で追う。大きな動きが小さな動きを覆い隠す…。さて、誤導の術を破る大きな動きをどうつくるか、です。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって