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2012年3月1日(木)

きょうの潮流

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 2月最後の日、東京にも雪が降りしきりました。みるみるうちに積もり、解けるのも早い春の雪です▼日本時間で1954年3月1日。太平洋のマーシャル諸島・ロンゲラップ島に降った白い粉は雪にみえた、といいます。島民は、話だけで知る雪だろうかと思ったのです。島の子どもは、うれしくなって体にこすりつけたり食べたりしました▼白い粉を浴びて恐怖を募らせながら、ぴんときた人もいました。近くで操業していた、日本のマグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員です。彼らは、数時間前に一面の空を赤く焦がした異変をみて感じ取っていました。「原爆だ!」▼乗組員の一人がいいあてます。白い粉は「原爆の実験で粉砕されたサンゴの粉じゃないか」。サンゴの粉は、広島型原爆の1000倍の破壊力をもつ水爆の実験で放射能をおび、死の灰と化していました。―いまなお深い核の傷あとを残す、58年前のビキニ環礁でのアメリカ水爆実験です▼広島・長崎に続く漁船の被爆。わが国の人々はせきを切ったように声をあげました。核兵器をなくそう、と。一方で、世界の非難の的となったアメリカは日本に原発を受け入れさせます。自分の責任をあいまいにし、被爆国を「原子力の平和利用」の象徴にしたてあげるために。行き着いた先が、福島原発の事故です▼「核兵器による犠牲者は私を最後にしてほしい」。亡くなった第五福竜丸の無線長、久保山愛吉さんの最後の言葉です。福島の被害者の心も、「私たちを最後に」です。


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