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2012年2月19日(日)

主張

3・1ビキニデー

世界を動かす核兵器ノーの声

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 58年前の1954年、アメリカがビキニ環礁(マーシャル諸島)で水爆実験をおこなった3月1日は、「ビキニデー」とよばれ、広島・長崎へ原爆が投下された8月6日、9日とともに、核兵器の非人間性を思い起こし、廃絶への決意を新たにする重要な日です。

核兵器禁止条約の交渉を

 ビキニ水爆実験では1000隻以上の漁船が「死の灰」をあび、マグロ漁船・第五福竜丸の無線長、久保山愛吉さんが半年後に亡くなりました。日本国民が三たび核兵器の犠牲となったことに多くの人々が憤りました。太平洋で水揚げされたマグロが放射能で汚染されていたことに国民の不安が高まり、核兵器反対の声が急速にひろがっていきました。原水爆禁止の署名は、有権者の半数にあたる3200万人に達し、第1回原水爆禁止世界大会(55年)の開催へとすすんだのです。

 原水爆禁止運動は、いまや国際政治にも影響をあたえるまでに発展しています。

 原水爆禁止日本協議会(日本原水協)がよびかけた「核兵器全面禁止のアピール」国際署名は、全国の半数近くの自治体が賛同するなど内外で反響を呼んでいます。昨年の国連総会では、核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議が、圧倒的多数の賛成で採択されました。国連の議論のなかで原水協の活動は高く評価され、日本から届けられた署名用紙は、国連本部のなかで積み上げられて展示されています。こうした動きに「市民の声が世界を動かす」との確信がひろがりつつあります。

 ところが、核兵器廃絶の先頭に立つべき被爆国日本の政府は、核兵器禁止条約を求める決議に棄権するなど、世界の流れに逆行する恥ずべき態度をとっています。日米軍事同盟のもと、アメリカの「核抑止力」に依存する政策はただちにあらためるべきです。

 東電福島原発事故を機に原発ノーの声が高まるいまビキニデー集会は新たな意義をもっています。

 アメリカが戦後、日本への原発売り込みをすすめた裏には、ビキニ被災で高まった国民の「核への反発」を「平和利用」の宣伝で抑えるねらいがあったことも明らかになっています。被爆国日本を核戦争の足場にするために、原発の危険をおしつける、許しがたい策略でした。

 政府は、第五福竜丸をはじめ多数の日本漁船が被災したにもかかわらず、アメリカの意にそって被害調査をたなあげにし、「政治決着」をはかるという無法な態度をとりました。被ばくの被害を覆い隠すこうした姿勢は広島・長崎の被爆者へ不十分な援護施策とともに東電福島原発事故にたいする政府の対応にも共通するものです。

被爆の実相をひろげて

 放射能の不安、原発反対の声と響きあいながら、「核兵器のない世界」を求める運動が大きく発展することがいま期待されます。

 広島・長崎、ビキニ原水爆実験被害の実相と、被爆者を先頭にした六十数年のたたかいは、人々に明日への決意と勇気、希望をひろげています。日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は新たな原爆写真パネルを作成しました。久保山さんの「原水爆の被害者はわたしを最後に」との言葉をかみしめ、「核兵器のない世界」へ前進するビキニデーとすることが求められます。


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