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2012年2月9日(木)

きょうの潮流

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 またもや“想定外”といいます。原発事故を起こした東京電力ではありません。こんどは、大手ゼネコン鹿島建設です。「異常出水は想定していなかった」と▼岡山県倉敷市の水島コンビナートの海底トンネル事故で、鹿島の下請け会社の労働者5人の行方が、まだ分かりません。海面からトンネルに通じる縦穴は、重油やがれきで濁った海水に満たされ、視界がほとんどないありさま、といいます▼トンネルの5メートルほど上の海底でみつかった大きなくぼみは、落盤が起こった跡でしょうか。海面から三十数メートルの海底に、高さ4・5メートル、長さ約800メートルのトンネルを掘る。初めから、危ない工事だと分かっていたはずです。掘り進めると同時に壁を固めてゆく工事の方法だとしても、です▼しかし、事前に地質調査をしていませんでした。鹿島によれば、「10年前に同じようなトンネルを隣につくっているから」。工事現場に、緊急の異常を地上に知らせる警報装置も設けていません。緊急時にどう避難するかの手引きも、つくっていませんでした▼現場の責任者は、携帯電話で異常を知らせようとしたようです。しかし、地上で音声は聞き取れずじまい。電波事情も不確かな地底で携帯電話を握りしめていた人の心の中を察すると、いたたまれない気持ちになります▼“下請け労働者の仕事だから安全対策はほどほどに”などと、会社が考えていたとは思いたくありません。しかし、現実はそうなっていなかったか。“想定外”ではすみません。


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