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2012年2月6日(月)

きょうの潮流

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 ロンドン郊外の静かな町の小さな病院。その空き地で16人の車いす患者が楽しげに矢を放つ―。64年前のこの光景がパラリンピックの原点といわれます▼ロンドン五輪の開幕(7月27日)まで半年を切りました。この地は「もう一つのオリンピック」と呼ばれるパラリンピック発祥の地でもあります。第2次世界大戦で脊髄損傷患者を収容したストーク・マンデビル病院のルートヴィッヒ・グットマン博士が、このアーチェリー大会の発案者。そのリハビリ効果から「手術よりスポーツを」と提唱し、世界の障害者にスポーツが、じわりじわりと広がっていきます▼ロンドン大会で車いすマラソンの金メダルを目指す土田和歌子選手は、「車の事故でリハビリから始め、パラリンピックを目指し、さらに成長できた。スポーツの力で自分が変われたと思う」。その効用はリハビリの枠にとどまりません▼ロンドン大会は、五輪とパラリンピックの組織、計画が統合された初の大会です。競技施設や交通機関も障害者の意見を入れてつくられ、大会ロゴも初めて共通のものが作られました。“戻ってくる”大会を大切に迎えたいとの思いがそこにはあります▼グットマン博士は患者にある言葉を残しています。「失われた物を数えるな。残されたものを最大限に生かせ」。障害者、健常者の別なく、胸に迫る豊かな響きのある言葉です▼パラリンピック開幕は五輪の1カ月後の8月29日。切り開いてきた歴史、人々に思いをはせつつ、その日を迎えたい。


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