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2012年1月10日(火)

きょうの潮流

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 「どっこい生きてる」。今は亡き映画界の巨匠・今井正監督が、山本薩夫監督らレッドパージ組で独立プロをたちあげ、1951年に前進座と組んで最初につくった映画です▼冒頭のシーンは、朝早くから職業安定所の窓口に殺到する失業者たち。1日あたり、支給240円で働くことから「ニコヨン」と呼ばれています。元旋盤工の主人公もその一人。住む家を追われ、一家は離散。貧しさから抜け出ることの困難さが、赤裸々な現実とともに映し出されます▼それでも、どっこい生きている。仲間のために、なけなしの金を出し合う労働者たち。心中未遂を経て、絶望のふちからはい上がる主人公の姿に、レッドパージに屈せず、再び映画を作り始めた監督たちの思いが重なります▼「この方々は、立身出世のためでなく、確固とした信念をもって地に足をつけて仕事に取り組んでいらっしゃる。人の世の真実を見つめる眼力がありました」。以前、三國連太郎さんに取材した折、こう語られていたのが印象的でした。この監督たちから「物作りの良心、人生の羅針盤のようなものを学んだ」とも▼お寺の住職の息子として生まれた今井監督は、47年に日本共産党に入党し、その初志を曲げることはありませんでした。最高裁の横やりにも負けず、誤った裁判を告発した「真昼の暗黒」(56年)。「部落解放同盟」の激しい妨害を乗り越えてつくった「橋のない川」(69年)…▼今井正監督生誕100年にあたる今年。改めてその「不屈性」から学びたい。


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