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2011年12月29日(木)

きょうの潮流

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 「綿密な調査と考え、真摯(しんし)に受け止める」と、東京電力が会見で話していました。福島第1原発の事故に関する政府の事故調査・検証委員会の中間報告に対してです▼政府の中間報告を読みました。「『想定外』の津波が襲ってきたという特異な事態だったのだから、対処しきれなかったといった弁明では済まない」と東電などを断じています。東電の社内事故調査委員会の中間報告書も読み直しました▼「今般の津波は当社の想定を大きく超えるものであり、結果的に津波に対する備えが足らず、津波の被害を防ぐことができなかった」。「想定外」は言い訳の代名詞にもなりました▼政府の報告書に戻ると、東電の事故時の対応で驚くことがあります。たとえば、緊急の場合に1号機の原子炉を冷やす装置を「運転操作をしている当直は、誰一人として」動かした経験がなかったと。そのため、実際には装置は停止していたのに、動いて原子炉を冷やしていたと思い込んでいたというのです▼代わりの冷却手段の準備もせず、1号機の原子炉は冷やされない状態が続きました。いざとなった時に使う装置の動かし方を知らずに原発を運転していた現実を知らされ、ゾッとする思いです▼「真摯に受け止める」は型通りの言葉のようです。政府の報告書で指摘された問題を問われた東電は会見でこう言っていました。「6台の原子炉で事故が起こった時の対応はきわめて困難な状況だった。これまで1台の訓練だった」。「想定外」とどこが違うのでしょうか。


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