2011年11月19日(土)
きょうの潮流
先日、近所の人を訪ねたら「体調がおかしい」といいます。1週間ほど前から、微熱が続くそうです▼午後になると熱が出てきて、体がだるいとか。「かぜと思うんだが…」。ただ、のどの痛みやせきのような症状はありません。「いっぺん、お医者さんで診てもらった方がいいですよ。かぜでも、ことしのかぜは長引くらしいから」と、勧めたのでした▼話を聞きながら、あらためて「かぜは万病のもと」の格言を思い返していました。二通りの意味をふくむ言葉ではないだろうか、と。文字通り、かぜをこじらせて重い病にかかる。もう一つは、かぜみたいだが実は別の病におかされているかもしれない▼すでに、彼の微熱は下がったようです。アメリカ独立運動の指導者で科学者だった、フランクリンの格言も参考にできます。“手遅れになってから「自分は病気だ」といったり、あまり早いうちから「治った」といったりするな”▼自分の体について、まずはみずから、よく知ることが欠かせません。けれど、「かぜは万病のもと」にさせないよう、フランクリンの警告も生かせるよう、医師の診断が大事です。なのに、わが政府ときたら、私たちを病院から遠ざけよう遠ざけようとします▼今度は、受診のたびに一定額を上乗せして払わせる計画です。1回につき100円の「受診時定額負担」。負担は、今でも重い。持病のある人やあちこち患う高齢者は、たまりません。受診をためらう人がふえれば、「冷たい政治が万病のもと」です。