2011年10月31日(月)「しんぶん赤旗」
条例案で教育不安
大阪シンポ 橋下知事の横暴に批判
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橋下徹大阪府知事と「維新の会」の横暴勝手なやり方に批判の声が広がる中、シンポジウム「大阪の教育『不安』の声」が30日夜、大阪市北区で開かれました。大阪大学大学院の小野田正利教授らが呼びかけた「大阪の教育の明日を考える会」の主催で、府民、学者・研究者、高校教員、学生など117人が活発に議論しました。
大阪府立高校PTA協議会の藤田城光会長、保護者の立場から電設会社経営の羽田良貢さん、山下晃一神戸大学大学院准教授、精神科医の杉田義郎大阪大学保健センター教授が、公立学校の役割や、競争にさらされる学生たちの現状について発言。藤田会長は「条例案は困難さを抱える子どもたちに対してあまりにも冷たい。みんなが同じように学べる環境をなくさないでほしい」とPTA協議会として嘆願書を提出したと紹介しました。
山下准教授は、アメリカで実施された「落ちこぼれゼロ法」が「競争でなく、単なる差別をもたらした」と告発。条例案との共通点を示し、「アメリカに10年後の大阪を見るようだ」と指摘しました。
条例案の「人材」という表現に、「私は『材料』を産んだ覚えはありません」と、会場から発言したのは高校3年生の息子を持つ女性です。「今でも息子は孤独に受験勉強している。競い合うことが当たり前になった教室で、条例案が通れば子どもたちはもっと孤独になる」
大阪南部から出席した男性は「知事らの発言を見ていると、憲法などを読んでいるとは思えない。1933年に生まれたヒトラー政権のことを思い出す」と発言しました。
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