2011年10月27日(木)「しんぶん赤旗」
沖縄県教育委「不採択は有効」
渡久地県議に
沖縄県教育委員会は26日、八重山地区の教科書採択問題について、育鵬社版不採択・東京書籍版採択を決めた9月8日の全教育委員協議を有効とする従来の立場を再確認し、「引き続き、文科省とも調整しながら取り組む」考えを示しました。沖縄県議会の決算特別委員会で日本共産党の渡久地修議員の質問に答えました。
渡久地議員は、教科書無償供与の対象から竹富町を外すとした同日の中川正春文科相発言について、「文科省の指導・助言を受けた県教育委員会の努力を否定し、竹富町の子どもたちを憲法や法の枠外に追いやるもので新たな問題を引き起こした」と厳しく批判。
さらに、文科相が依拠した8月23日の採択地区協議会が、まともな議論もなしに育鵬社版を選定した実態や、教科書を読まずに育鵬社版に賛成した複数の教育委員の発言がテレビ放映されたことなどを指摘しました。
県教委は混乱の原因について「拙速すぎる(協議会)規約の改正、協議会の運営のあり方や手法に住民から疑義が生じた」と従来の認識を示す一方、育鵬社版を不採択とした全員協議の経緯を詳しく跡付けて「中身を見る限り協議としては成立している」と答え、これまでの立場が変わらないことを強調しました。