2011年10月25日(火)「しんぶん赤旗」
アルゼンチン大統領選
現職が大差で再選
国民、貧困削減を評価
【ブエノスアイレス=菅原啓】南米アルゼンチンで23日、大統領選が実施され、自主的な対外政策を貫き、貧困削減などで成果を上げてきたクリスティナ・フェルナンデス現大統領(58)が大差で再選を果たしました。
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中央選管の発表によると、約55%の集計段階で、与党「勝利のための戦線」から出馬したフェルナンデス大統領の得票率は約53%。社会党を中心とする「進歩拡大戦線」のヘルメス・ビネル候補が第2位を確保しましたが、得票率は約17%にとどまっています。
マスコミ各社の出口調査でも同様の傾向が示されていることから、フェルナンデス大統領が当選に必要な45%以上を獲得することが確実と見られています。
大統領は23日夜、首都ブエノスアイレス市内のホテルに姿を現し、選挙に参加したすべての国民とすべての政党に感謝すると勝利宣言。2001年末の経済危機直後の時期に比べ、貧困削減など大きな成果があったが、「まだ不足していることがたくさん残されている」として、4000万人の国民の生活向上をめざす「国家プロジェクト」をさらに前進させる決意を表明しました。
当選が確定すると、ブエノスアイレス市内では、多くの若者が街頭にくりだし、国旗や大統領の写真を掲げて喜びを表現。大統領府前の5月広場には、支持者数万人が続々と詰めかけ祝賀集会が開催されました。
集会に参加した大学生のアルフレド・トゥルクラさん(23)は、「多国籍企業や金持ちを支援する新自由主義から、国民生活を支援する政治に変えたのが、キルチネル前大統領。その政治を続けるクリスティナ(フェルナンデス大統領)が圧勝したことは本当に重要だ」と語っていました。
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