2011年10月25日(火)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 娘にせがまれて子犬を飼い始めました。娘は気が向いたときにかわいがるだけ。ふん尿の始末や朝の散歩は案の定、親に回ってきました。クンクンと臭いをかぐ鼻、しっぽを振って近づいてくるしぐさがなんともかわいい▼犬といえば、テレビドラマ「南極大陸」に出てくる樺太(からふと)犬のタロとジロ。これは実在した犬で、1950年代に日本の南極探検隊に同行した樺太犬です。不測の事故で南極に取り残されましたが、酷寒のなかで生き残り1年後に探検隊と再会します。人間と犬との感動のドラマの一つです▼東日本大震災と福島第1原発事故では、犬や猫など多くのペットが、津波に流されたり、原発事故で置き去りにされて亡くなりました。生き残っても、飼い主と一緒に暮らせないケースも多い▼被災したペットの収容先もつくられていますが、飼い主の生活再建がすすまないと、元の家に戻れません。「この子は家族なのに…」。ペットと引き離された飼い主の無念はいかばかりか。新しい飼い主を求める取り組みもすすめられていますが、多くは飼い主を持つあてのないままです▼「犬死に」という言葉もありますが、被災したペットをこんな目にあわせてはなりません。ここでも原発事故を起こした東京電力と国の責任が問われています▼愛犬と散歩をしていると、見知らぬ人が「おはよう」「かわいいね」と笑顔で声をかけてきます。人と人を結ぶペット。それが大切にされる社会は、人間も生きやすい社会に違いありません。





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