2011年10月24日(月)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 こちらはうまくやるので、もう片方はご容赦を―。このような気遣いをすることはありますが、国と国との交渉でそんなことをされてはたまりません▼「米側が強く言っていたなかには、そういうことがあったかもしれない」。取材メモに、2007年12月の高村正彦外相の言葉が記されていました。参院選で野党が多数を占め、インド洋への自衛隊派兵の根拠となるテロ特措法が失効した時期。米軍「思いやり予算」特別協定の交渉で、米側はテロ特措法失効を暗に非難することで満額回答を引き出しました▼同じことが繰り返されようとしています。米国が強く要求する普天間基地「移設」とTPP(環太平洋連携協定)への参加。どちらも国民の強い抵抗に遭っています。とりわけ沖縄では、辺野古への新基地建設に反対する県民の意志は固い▼「オバマ大統領に普天間飛行場移設もTPPも待ってくれとは言いにくい」「TPPは前向きなことを言わなければいけない」。成田憲彦内閣官房参与の解説です。農業・医療など国民生活に壊滅的打撃を与えるTPPへの参加表明で、許しを請うというのです▼米国はそれで納得するほどお人よしではありません。今日、来日するパネッタ国防長官。普天間で「結果」を要求するのは確実です。何しろ、相手は米国のご用聞きに成り果てた野田政権です▼ちなみに、米国はインド洋派兵の中断も許さず、結局、当時の自公政権は新テロ特措法を強行成立させました。この国の対米従属ぶりは深刻です。





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