2011年10月22日(土)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 「超」のつく有名大企業につとめる知り合いが、ぼやいていました。「定年後も働かないと…」▼彼は、50代の後半です。「年金をいつからいくらもらえるか、分からない」。だから定年後の仕事を探すという彼は、やっかいな持病をかかえています。悲壮感さえ漂わせる彼に、「無理はするな」と応じるのがやっとでした▼「公明党だからできる。100年安心の年金を構築」。覚えておいででしょうか。もう、7年前になります。自民・公明の政権は、「100年安心」の年金改革だと、さかんに胸をはりました▼ところが、看板がはげ落ちます。説明と違い、年金の額は少なく保険料も上がる。のちに公明の厚労副大臣が、「100年安心」は「選挙戦術」でもあったと認めています。救世主のように振る舞ったのが、民主党です。記録が失われた「消えた年金」をあばき、2年前の総選挙でこう公約します▼「国民の信頼を回復する」「月額7万円以上の年金」「現役時代の安心感を高める」。民主党は、年金をめぐる有権者の自公への不信を追い風にして、政権をとりました。2年後、人々は民主党政権の「改革」案に不安を募らせます。今度は、記録は消えなくてもお金が消えます▼たとえば、もし受け取り始める年が65歳から68歳に延ばされると基礎年金だけで約240万円が幻と消えます。政府が、詐欺師のように「年金」で人の心をもてあそぶ。これでは、かつての熱心さは「選挙戦術」だったかと疑われても、仕方ないでしょう。





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