2011年10月22日(土)「しんぶん赤旗」

主張

TPPへの暴走

参加許さずの一点で共同を


 関税を原則ゼロにし、「非関税障壁」も撤廃する、環太平洋連携協定(TPP)への参加をめぐる情勢が、いっきょに緊迫しています。野田佳彦首相が11月12日から行われるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までに、交渉参加の結論を出すことを表明しているからです。

 政府は、「国の形をかえてしまう」といわれるTPPへの参加を、国民的な議論も交渉内容などの情報開示も十分行わないまま、強引に進めようとしています。TPP参加を許さない運動を全力で発展させることが、当面する国民運動の課題になっています。

参加阻止は国民的な課題

 日本共産党は14日「TPPへの暴走を許さない国民的共同をよびかけます―暮らし・食料・農業・地域経済を守るために力をあわせましょう」というアピールを発表し、TPP参加阻止に全力をあげる決意をしめしました。政府の「前のめり」の動きに対して、これまで反対してきた各界・各分野はもとより、与党のなかからも批判と不安の声が上がっています。

 この間政府がおこなってきたきわめて不十分な説明でも、TPPへの参加がアメリカと財界の要求を最優先するものであり、農林漁業や地域経済はもとより、国民の生活と経済があらゆる分野で大変な結果をもたらすことがあきらかになっています。

 全国各地で、JAなど農林漁業団体や医師会、地方の経済団体や消費者団体など、幅広い関係者が参加した決起集会や抗議集会が開催され、多くの参加者を集めています。全国紙など中央のマスメディアの異常な推進キャンペーンがありますが、地方紙などでは批判の論調が強まるなど、世論の変化も生まれています。

 全国段階では、JA全中を中心に農林漁業団体や医療・中小企業・消費者団体などが参加した実行委員会が26日に東京・日比谷野外音楽堂で「TPP交渉に反対し日本の食を守る全国決起集会」を、11月8日には同・国技館で「TPPから日本の食と暮らし・命を守る国民集会(仮称)」を開きます。

 労働組合・農民組織、民主団体などを中心にした全国食健連(国民の食料と健康を守る全国連絡会)も、秋のグリーンウエーブ(食料の波)行動で、JAなどの集会、運動に協力・連帯しながら、全国各地で集会、宣伝行動をおこなっています。二つの全国集会をはじめ、各地の集会や行動を成功させ、多くの人々にTPP参加が「国の形を変えてしまう」ことを知ってもらい、議論を発展させて、草の根からTPP反対の声を急速に高めることが重要です。

全国津々浦々から行動を

 そのためには、幅広い人々への集会参加の案内や申し入れ・懇談、全国津々浦々での宣伝・署名活動、シンポジウムや学習会、地元選出の国会議員への働きかけ、地方議会や農業委員会での意見書や決議の採択、マスメディアでの意見表明など、これまでの枠をこえた活動が求められます。

 日本共産党は、開会した臨時国会の論戦でTPP参加の不当性を徹底的に明らかにすることをはじめ、党機関や議員団・支部がJAなどの集会に呼応して街頭での宣伝・署名活動を多様にくり広げるなど、TPP参加の暴走を許さないために全力をあげます。





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp