2011年10月21日(金)「しんぶん赤旗」
主張
なくせ!原発10・30集会
安心して住める、福島めざし
東京電力福島原発の過酷事故から7カ月、いまなお収束の見通しは立たず、深刻な放射能被害は福島県内だけでなく全国に広がっています。県外に避難しなければならなかった福島県民は、すべての都道府県に5万7087人(13日現在)にのぼり、県内の避難者を加えると11万人近い県民が避難生活を余儀なくされています。
「いつ福島に戻れるのか」「子どもの健康が心配。除染を一刻も早く」「くらしが成り立たない。全面賠償を」「原発はいらない」と、東電と政府への怒りが満ち満ちています。
除染と賠償などを掲げて
このようななかでいま福島では、「なくせ!原発 安心して住み続けられる福島を! 10・30大集会inふくしま」の成功をめざし、準備が進められています。遠藤宮子県女性団体連絡協議会元会長をはじめ広範な県民を代表する12人の呼びかけで、「ふくしま復興共同センター」に参加する団体などが中心となり実行委員会を結成して開催することになりました。
「徹底した計測と除染により、放射能汚染から子ども・県民を守ること」「原発事故で発生したあらゆる被害・損害を賠償すること」「福島原発はすべて廃炉とし、原発から撤退すること」の3点を目的に掲げ、一致できるすべての人々の結集を呼びかけています。県内では実行委員会からの呼びかけに応え、避難自治体の首長、有力な元自治体関係者、農業団体代表などが参加を表明しています。
また、全国でも呼びかけに応えて、作曲家の池辺晋一郎さんら200人を超える人びとが賛同を表明しました。国際政治学者の畑田重夫さんも横須賀から参加を表明しています。全労連、農民連、民医連、全商連、新日本婦人の会、自由法曹団、原水協の中央7団体が共同アピールを発表し、それに応えて各団体、地域の取り組みも広がっています。
日本共産党は、この10・30大集会の成功と、除染や賠償の実現に全力をあげています。
日本共産党の志位和夫委員長は、衆院予算委員会(9月27日)で福島県民の切実な要求を取り上げ、放射能汚染対策や賠償問題で政府や東電を追及するとともに、除染のための廃棄物の「仮置き場」問題では政府が期限を明示するよう提案し、福島県内の自治体からも感謝の声が寄せられています。野田佳彦首相との党首会談(7日)では、「使用済み核燃料再処理等引当金」など「原発埋蔵金」を原発災害対策の財源として活用することを提案して、野田首相にも検討を約束させ、福島県内のマスメディアからも注目されました。
「原発ゼロ」の声を広げて
東電福島原発の事故後、全国各地で広範な市民が参加する集会、デモなどが取り組まれ、作家の大江健三郎さんら9人が呼びかけた9・19「さようなら原発集会」(東京・明治公園)は6万人の参加で大きく成功しました。原発事故の立地県である福島での集会を1万人を超える規模で成功させることは、県民の切実な要求実現を前進させるとともに、「原発ゼロ」を目指す国民的なたたかいの火の手をさらに広げるものです。
集会が、原発の再稼働や新増設をたくらむ勢力を追い込み、「原発ゼロ」への新たな国民的発信の場になると、期待が高まっています。