2011年10月20日(木)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 きのうは、めっきりと冷え込みました。二十四節気の一つ、「霜降」まで4日。暦の上では、すでに晩秋です▼仮に2人の旅人が、寒さをしのごうと宿をとったとしましょう。同じ料金、同じ広さの部屋。なのに、あろうことか一方の部屋に暖房具がついていません。そこへ暖房具を入れてもらい、2人は等しく寒さから逃れる機会をえました。「機会の平等」といえるでしょう▼ところが、暖房具は備わったもののいっこうに暖まりません。故障らしい。旅人は、部屋替えか暖房具のとりかえを求めます。ぬくもりという「結果の平等」が肝心ですから▼選挙にも、あてはまりそうなたとえです。同じ1票でも、1人の議員を選ぶため隣の県は5万票ですむのに10万票いる県なら、重みは半分です。同じ料金で暖房のない部屋のように不平等です。そこで、議員1人を選ぶ「機会の平等」に近づけようと、隣の議員数を減らしたり1票が軽い県の議員をふやしたりします▼しかし、「結果の平等」はえられません。結果の平等は、投票数にみあう議員の当選です。民意が生きて結果に反映されること。大政党に偏って有利な1人区の小選挙区制では、民意が切り捨てられます。民意をねじまげる小選挙区制は、究極の不平等です▼とすれば、民意を映す比例代表制を基本にするしくみへの改革が求められています。民主や自民は、その比例代表の部分を削ってしまおうというのですから、寒さにふるえる旅人を初めから閉め出す宿の主人のようです。





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