2011年10月17日(月)「しんぶん赤旗」
全米100カ所超で連帯
ニューヨーク5000人がデモ
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【ニューヨーク=田中一郎】巨大金融機関優先の社会のあり方に抗議し、「ウォール街を占拠せよ」と訴えるデモ行進が15日、ニューヨークで行われ、主催者によると、少なくとも5000人以上が集まりました。デモを続ける若者らが設けたウェブサイトなどによると、同デモに連帯する行動が同日、首都ワシントンをはじめ全米100カ所以上で行われました。
ニューヨークでは、若者たちが拠点にしているマンハッタン島南端部にあるウォール街近くの公園からデモ隊が午前11時に出発。オフィスビルや商業ビルなど摩天楼が立ち並ぶもと、ドラムの音を響かせながら、6時間以上かけて観光客でにぎわうタイムズスクエアに向かいました。
17日に1カ月を迎えるこの運動のスローガンは「われわれは国民の99%だ。強欲で腐敗した1%には、もう我慢できない」―。デモ参加者は「アフガンではなく、ウォール街を占拠しよう」など自分の思いを掲げたプラカードなどを掲げ、「われわれは99%だ」「戦争を終わらせ、金持ちに課税を」「大企業の強欲をやめさせよう」などと唱和。ほとんどの参加者は警察の指示に従い、歩道を行進しました。
デモには、連日公園に寝泊まりする若者たちのほか、全米自動車労組(UAW)のプラカードを掲げる組合員や、「ウォール街が人々を病気にさせている」と書いたプラカードを掲げた白衣の医者たちの姿もありました。
デモ隊が観光客に「あなたも99%だ」と訴えると、観光バスに乗った乗客が大きく手を振って応え、互いに歓声をあげて連帯しあう場面もありました。
ノースカロライナ州からバスで15時間かけてニューヨークに来た大学研究員のキース・ハドソンさん(25)は「この取り組みは、インターネットで知りました。立場が違う人たちが、一つになって、これだけ集まった。すばらしい」と笑顔で語りました。
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