2011年10月15日(土)「しんぶん赤旗」
ウォール街デモ
米メディア報道に変化
若者らの要求に焦点
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【ニューヨーク=田中一郎】格差是正などを求めるウォール街などでの抗議デモに対する米国での報道に変化がみられます。当初、警察の取り締まり強化ばかりが注目されていたのが、今では若者らの要求に焦点があたるようになっています。
抗議デモが始まった9月は、ウォール街を警備する警察とデモ隊との衝突が報道の中心でした。
米紙ニューヨーク・タイムズは、9日付社説で、失業増や格差拡大への抗議といった若者らの主張を取り上げ、「問題は政府側が(これら主張に)耳を傾けてこなかったことだ」と批判しました。
各種メディアによる報道の量も増加。米国のテレビや新聞など52報道機関が、テーマごとに、どれだけの紙面や時間を割いたかを調査している米調査機関ピュー・リサーチ・センターの調査では、3〜9日の週でウォール街デモ関連が7%に達しました。
その前の週と比較して4倍増。この増え方は、草の根保守運動「ティーパーティー(茶会)」運動が始まった段階にあたる2009年4月中旬と同水準といいます。
これらの数字を報じたニューヨーク・タイムズ(13日付)は、当初はデモをほとんど無視していたケーブルテレビなどが取り上げ始めたことを指摘。報道内容も、デモ参加者が抱える要求や体験に変わってきたとし、「報道の急上昇は、運動に正当性を与え、より多くの人々をウェブサイトで情報を探すよう促す」と伝えています。
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