2011年10月15日(土)「しんぶん赤旗」
「知事関与」認定を黙殺
やらせ問題 九電が最終報告書
九州電力は14日、玄海原発再稼働をめぐる「やらせメール」問題の再発防止策などを盛り込んだ最終報告書を経済産業省に提出しました。古川康・佐賀県知事の発言がメール投稿に決定的な影響を与えたとする九電第三者委員会の認定を事実上黙殺し、知事との間の不透明な関係も建前の記述にとどめただけの内容です。
九電はこの日、臨時取締役会を開催し、一度辞任を表明した真部利応(まなべとしお)社長をはじめ経営陣全員の留任と減給処分を承認。九電の最終報告書は、やらせメール投稿に至った経緯について、古川知事の真意を九電側が誤って受け取ったことが原因との従来の説明に終始し、知事関与の有無について言及を避けました。
真部社長は報告書の提出後、九電本店内(福岡市)で会見。自身の進退について「今後も経営責任が再燃しかねない状況で、引き継ぐことがあり得るのかとの判断が取締役会でなされたのだと思う」とのべ、原発再稼働に固執する姿勢をにじませました。
真部社長は第三者委の報告を「見解の相違」とし、最終報告で反論する必要もないと判断したことを説明。「そのような事実はないとのべている当事者を信じている」と言い切りました。古川知事の発言がやらせメールの発端となったとの第三者委の認定について「無実の方にぬれぎぬを着せるのはどうか。(第三者委の)郷原(信郎)さんは、もう委員長でもないのでこだわってほしくない」などと話しました。
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