2011年10月14日(金)「しんぶん赤旗」
大学教育守れ 50万人スト
公立大「民営化」に反対
コロンビア 学生、抗議デモも
【メキシコ市=菅原啓】南米コロンビアで12日、全国の公立大学の学生が教育改革法案に抗議して、無期限ストに突入しました。スト参加の学生数は50万人に上るとみられています。
12日には、全国主要都市で公立大学学生のデモが展開されました。首都ボゴタでは、「質の高い無料の教育を」などのポスターを掲げた学生ら数千人が市内中心部を行進しました。
政府が3日に国会に提出した法案は、10年間で高等教育機関の学生定員を60万人分増加させる方針を示す一方、公立大学に独立採算制を導入する内容が含まれています。
学生団体は、独立採算制が持ち込まれれば、経営破たんに陥る大学が生まれる恐れがあり、教員の待遇引き下げによる大学の質の低下につながりかねないと批判。政府が学生団体と協議することなく、この大学「民営化」法案を作成したやり方にも抗議しています。
コロンビア学生機構(OCE)のセルヒオ・フェルナンデス代表は、法案が成立した場合、大学向けの年間予算は学生1人当たりで現行の350万ペソ(約14万円)から7分の1の50万ペソに激減すると指摘。ストは、政府が法案を撤回するまで続けると語っています。
私立大学では、コロンビアが米国と締結した自由貿易協定(FTA)が教育もサービスの一つとして規定していることから、米国資本の進出で大学がいっそう利益追求に走り、学費の高騰につながるのではないかとの懸念が広がっています。
このため、ボゴタ市内のデモには、私立大学の学生も次々合流。「勉強するために、服まで売らなければならない」と書かれたプラカードをもって上半身裸で行進し、高学費に抗議する学生の姿も見られました。