2011年10月12日(水)「しんぶん赤旗」
チリ 教育無償化 95%賛成
労組主催の166万人国民投票
【メキシコ市=菅原啓】南米チリで7日から9日まで、公教育の無償化を要求する教員組合が主催する自主的な国民投票が実施されました。人口の約1割にあたる166万人が投票に参加し、95%が公教育の無償化に賛同を表明しました。
投票の設問は、「国家によって保障された無償かつ質の伴った公教育の確立に賛成か反対か」というもの。全国約3000カ所の投票所のほか、インターネットでも投票が可能。14歳以上の市民に投票権が与えられました。
教員組合のハイメ・ガジャルド議長が10日発表した途中集計によると、投票所で124万人余り、インターネットで42万人が投票。このうち95・5%が、公教育の無償化に賛成票を投じました。
国民投票はあくまで労組の自主的な取り組みで、法的な拘束力を持ちません。しかし、ガジャルド議長は、ピニェラ大統領に対し、この結果を認め、無償化措置に踏み切るよう求めました。
ピニェラ政権は、学生団体や教員組合の無償化要求を拒否するだけでなく、抗議行動の際に学校を占拠した学生らを3年以下の懲役刑にする法案を国会に提出するなど、運動を敵視する姿勢を強めています。
全国大学生連合は、こうした政府の姿勢に抗議し、公教育の無償化、教育予算の抜本的増額を求める大規模デモを18、19日に行うことを呼び掛けています。