2011年10月12日(水)「しんぶん赤旗」
除染「年1ミリシーベルト以上」
基本方針案 20ミリ未満は2年で半減
環境省は10日、福島原発事故に伴う放射性物質の除染などに関する基本方針案と関連省令案をまとめました。年間被ばく線量1ミリシーベルト以上の地域を除染対象に指定。20ミリシーベルト未満の地域は2013年8月末までに一般の人の被ばく線量を半減、子どもは学校などの優先除染で60%減を目指すほか、20ミリシーベルト以上の地域の段階的縮小も目標としました。
同省は当初、全面的な除染は5ミリシーベルト以上とし、1〜5ミリシーベルト未満の地域は、側溝など空間放射線量が局所的に高い地域に限定する方針でしたが、福島県内の市町村が反発。日本共産党も批判し、野田首相は党首会談で「間違ったメッセージを送った」(7日)と陳謝しました。
方針案などは来年1月全面施行の放射性物質汚染対処特別措置法に基づき策定。意見聴取などを経て11月上旬にも決定します。
同案によると、汚染が著しい福島県の警戒区域と計画的避難区域を「特別地域」に指定、国が直接除染します。特別地域では、可能な範囲で住宅や道路などの除染を進め、除去土壌などの仮置き場への搬入完了の目標は14年3月末としました。
一方、年間被ばく線量が1ミリシーベルト以上の、特別地域以外の地域は国の財政支援を受け市町村が除染。市町村は地域ごとの実情を踏まえ、除染の実施計画を策定します。また、高濃度の放射性物質で汚染された廃棄物は、発生した都道府県内で処理することを明記しました。
■関連キーワード