2011年10月12日(水)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
「秋桜」は、コスモスのこと。しかし、秋に本当のサクラが咲きました。ところは、宮城県石巻市の青葉神社です▼先週、被災者の支援に行った知人たちが境内でコンビニ弁当の朝食をとっているとき、1人が気づきました。「あれ、サクラが…」。たしかに、何本かの木に花がちらほら。近くに住む人が、解説してくれました▼津波の真っ黒な水が、境内に押し寄せ、渦を巻いたそうです。青葉の5月、サクラは葉を散らしてしまいました。塩害とみられます。「子孫を残すために花を咲かせ、種をつけようとしたのでしょう」。再生をかけた、サクラの異変です▼知人は、政治の異変も感じ取っています。街中、日本共産党のポスターが、ここにも、あそこにも。党市議団長の三浦一敏さんが、11月13日投票の県議選で石巻・女川の選挙区から初当選をめざします▼全戸を訪ね、ポスターをはっています。ある党員が、広〜い敷地の邸宅で「こんな大きな家は無理だろうな」と思いつつお願いすると、「どうぞ」。後に、市内で指折りの有力者の家と知ります。別の党員が、ある事業所にビラを配ったときです。「いいところに来たよ」の声▼社長さんでした。「おれは自民党だが、こんどは一敏さんにがんばってもらわんと。これを一敏さんに渡してくれ」。後援会の加入申込書に、従業員と社長、10人ほどの名前と判を連ねていました。いのち短い花の異変ではなく、住みよい町と県への復興、ひいては国の将来につながる異変を予感させます。