2011年10月10日(月)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
「こんな税金あり?」と驚いた人も多かったはずです。デンマークで10月から導入された「肥満税」の話です。バターやチーズなど一定基準以上の飽和脂肪を含んだ製品に税金をかけるもの▼デンマークの10人に1人は肥満。いわば健康対策なのです。実は、これに類する税金は、ほかのいくつかの国でも検討中だそうです。その是非はともかく、ここに見えるのは、世界のあちこちで、国民の健康を守ることに苦心する姿です▼健康には「食」の啓もうだけでなく、体づくりやスポーツを促す、積極策がむしろ必要です。実際、これに力を注ぐ欧州の国は多く、国民のスポーツ実施率は高い。日本の3割台にたいし、ドイツ7割、フランスは9割近い。国がいろんな形でその推進・普及に力を入れているからです▼日本は今年、スポーツ振興に関わる法律を50年ぶりに改正しました。日本共産党も提案者の一人となった「スポーツ基本法」。わが党の奮闘もあって、スポーツは「すべての人々の権利」との文言が初めて盛り込まれ、国がその環境を整える責務を負うことになりました▼「スポーツ貧国」といわれる日本。地域にスポーツのできる施設は少なく、する側の時間や経済的な余裕も奪われています。この法律は確かな一歩です。しかし、いまの日本では、自動的にその環境が整うわけではありません▼今日は「体育の日」。健康で文化的な生活にスポーツがいかに欠かせないか。議論と運動を起こす、スタートの日としたい。