2011年10月10日(月)「しんぶん赤旗」
除染・賠償に原発積立金使え
NHK討論で市田氏が主張 政党助成金の廃止提起
日本共産党の市田忠義書記局長は9日、NHK「日曜討論」に出席し、東日本大震災・原発災害対策の財源問題で各党代表と議論し、政府の庶民増税路線を厳しく批判するとともに政党助成金の廃止を呼びかけました。(詳報)
市田氏は財源について、震災と大津波からの復旧・復興のためのものと、原発事故の除染・賠償・廃炉に関わるものは別建てで考えるべきだと強調しました。その上で、政府の復興財源基本方針が増税額9・2兆円としていることについて、「大企業を中心にした法人税減税は10年間で11・6兆円。257兆円もの内部留保をため込んでいる大企業には減税して、(所得税など)サラリーマンと自営業者だけ増税となるのは論外だ」と批判。法人税減税と証券優遇税制の延長をやめればそれだけで10年で17兆円の財源は十分できると強調しました。
原発事故対策の財源に関して市田氏は、政府も現在4・8兆円積み立てられていると認めた原発と核燃料サイクル推進のための基金は今後19兆円に達することを指摘し、「各党協力して、除染と賠償のためにそのお金を使う、さらに『原発利益共同体』ともいうべきゼネコンや原子炉メーカーも基金に拠出してもらおう」と提案しました。
番組では、財源と関連して国会議員定数削減問題もテーマになり、民主党の樽床伸二幹事長代行は「衆院比例定数80削減に全力をあげる」などと表明しました。
市田氏は「比例代表は多様な民意を正確に反映する制度であり、これを80削るというのは身を削るのではなく民意を削るものだ」と批判。80削減で節約できるのは56億円だと語り、「本当に身を削るというなら、政党助成金の320億円をこの際返上したらどうか。テレビで討論しているのだから、国民の前に意見を述べてもらいたい」と各党に呼びかけました。この提起に最後までだんまりを決め込んだ各党に対し市田氏は「どこからも(表明が)なかったのは残念だ」と述べました。