2011年10月10日(月)「しんぶん赤旗」
東日本大震災・原発事故7カ月
除染 国の支援早く
福島26市町村の計画 本紙聞き取り
東日本大震災発生から11日で7カ月。深刻化する東京電力福島第1原発事故による放射能汚染で、福島県内の各自治体による独自の除染計画の策定が進んでいます。本紙は放射線量の高い26市町村から策定状況について聞き取りました。その結果、個人住宅も含めた除染の徹底には国の財政支援が欠かせないことが明らかになりました。
策定8自治体にとどまる
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聞き取りは4〜6日の3日間に実施しました。同県浜通り地方の12市町村と中通り地方の14市町村、計26市町村中、すでに策定しているところは8市町村。15市町村が作成中、あるいは検討中と答えました。中通り地方よりも、第1原発に近い浜通り地方のほうが策定率が低く、特に全域が警戒区域に指定されている原発立地町(大熊、富岡、楢葉の各町)では策定のめどすら立っていません。(双葉町は担当者不在で聞き取りできず)
各市町村の除染計画は、特に学校、保育園、幼稚園、公園などを最優先に除染を進めるとし、作業主体は市町村と委託業者のほか、住民自身や町内会、PTAなどの地域組織を含めるとしています。
多くの市町村は個人住宅についても計画の対象としていますが、作業主体は住民や町内会などで、県の補助事業(1町内会に50万円を上限に除染費用を補助)を活用する形が基本。「国が予算措置するなら検討する」(郡山市)「国の予算措置があるかどうか不安」(三春町)と、国が財政的な責任をはたすことを求める声がありました。
第1原発の北西約30キロに位置し、町の一部が計画的避難地域に指定されている川俣町の計画は、「当町が放射性物質に汚染された原因は、国と東京電力が国策として推進してきた原子力発電によるものであり、国と東京電力が全責任を負い、早急に除染すべきだ」と明記しています。
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