2011年10月7日(金)「しんぶん赤旗」
九州で建設石綿訴訟
労働者・遺族 国と企業提訴
福岡地裁
建設現場で建材から飛散したアスベストを吸い込み、石綿肺や肺がん、中皮腫などの病気に苦しむ労働者と遺族32人が5日、危険性を知りながらアスベストを含む建材の使用を推進してきたとして国と製造・販売メーカー44社を相手に総額約7億3千万円の損害賠償と謝罪を求め、福岡地裁に提訴しました。
提訴したのは福岡、大分、長崎3県の労働者9人とすでに亡くなった10人の遺族23人。福岡県の原告代表で大工の平元薫さん(67)が提訴後の集会で決意を表明しました。
平元さんは、2年前に肺がんと診断されてからの治療の日々を振り返るとともに「私たちは被害者のほんの一部で、多くの仲間がアスベスト疾患に苦しみ、危険にさらされている」と強調。「訴訟を通じてアスベスト被害の実態と責任を明らかにし、『あやまれ・つぐなえ・なくせ』の思いで最後まで頑張る」と述べ、支援を呼びかけました。