2011年10月7日(金)「しんぶん赤旗」
「復興増税」・証券税制
大門議員 金持ち優遇やめよ
首相 「景気回復のため」
6日の参院復興特別委員会で、焦点となっている「復興増税」を取り上げた日本共産党の大門実紀史議員。大企業・大金持ちに減税する一方で、庶民に増税を押し付ける野田佳彦首相の財界いいなりぶりが浮き彫りとなりました。
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大門氏は、政府の復興財源について、今後10年間でサラリーマンと自営業者は約8・8兆円の増税、大企業は11・6兆円の減税になるものだと指摘し、こう迫りました。
大門 「みんなで負担を分かち合う」というなら、大企業にもきちんと負担してもらうべきではないか。
首相 法人税減税は、企業の国際競争力の強化、産業空洞化の防止、雇用確保の観点から実施するものだ。
負担は当たり前
「企業経営にとって多大な負担とならぬよう配慮する」と述べる首相に対して、大門氏は「大企業だけ成長しても日本経済はよくならない。みんなが負担しているときに、大企業も負担するのは当たり前ではないか」と批判しました。
さらに大門氏は、「庶民増税をいう前にやるべきことがある」として、世界でも異常な日本の大金持ち優遇の証券税制(図)の延長見直しを求めました。株の配当にかかる税金が本来20%あるのを10%に軽減するものですが、政府は今年6月、さらに2年間延長することを決めましました。
大門 復興財源を考えれば、こんな金持ち優遇は真っ先に中止すべきだ。
首相 軽減税率は金融庁から延長要望があり、景気回復に万全を期すため2年延長することにした。
恥ずかしい優遇
大門氏は「株でもうけた人への課税と景気は何の関係もない」と批判。投資家ウォーレン・バフェット氏をはじめ欧米では大金持ちの人たち自身が「私たちに増税してくれ」と次々に発言し、オバマ米大統領の100兆円を超える財源捻出も富裕層課税が中心になっていることを紹介して、こうただしました。
大門 世界でも恥ずかしい金持ち優遇をやめるべきだ。
首相 この間の税制改正で、お金持ちの人にも負担していただいている。世界の流れと違っていない。
証券優遇税制を存続しながら、金持ち優遇をごまかす首相。大門氏は「それでは自民党政治と変わらない」と批判し、「庶民だけに負担を押し付けるやり方に強く反対する」と強調しました。
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