2011年10月7日(金)「しんぶん赤旗」
陸山会事件 小沢氏 元秘書と共謀
検察官役が陳述 強制起訴で初公判
小沢氏全面否認
資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の初公判が6日、東京地裁(大善文男裁判長)で開かれました。同被告は起訴事実を否認。検察官役の指定弁護士は、同被告が元秘書らと共謀して虚偽記載したと主張しました。 (関連記事)
市民参加の検察審査会の議決によって強制起訴された国会議員の刑事裁判は初。同被告側への公共事業をめぐるゼネコンからの裏献金が指摘される中、同被告本人が初めて裁かれます。
起訴状によると、小沢被告は衆院議員の石川知裕被告(38)=同容疑で一審有罪=ら元秘書と共謀し、2004年10月に陸山会が東京都世田谷区の土地を購入する際に小沢被告から借り入れた4億円を同年分の収支報告書に記載しなかったなどとされています。
冒頭陳述で指定弁護士側は、小沢被告の政治団体の収支に関し元秘書らが独断で行動することはありえないと指摘。4億円の簿外処理は小沢被告の意向と利害に沿って行われたと断じました。
冒陳によると、元公設第1秘書の大久保隆規被告(50)=同=と石川被告から土地の購入費用を相談された小沢被告は「俺が4億円用立てよう」といって提供を約束し、土地購入を指示しました。
石川被告は小沢被告からの4億円を「表に出せない資金」であり、簿外での処理を判断。銀行から4億円の融資を受けて土地購入した形をとりました。
小沢被告は石川被告の報告を受けて了承し、書類に署名・押印。04年分の収支報告書から4億円を外したことも報告を受け、「わかった。きっちりやっておいてくれ」と、了承しました。
小沢被告は罪状認否で「検察官の違法な捜査で得られた供述を唯一の証拠としており、裁判を打ち切るべき」などとのべました。
小沢被告強制起訴 東京地検特捜部は昨年、小沢一郎被告の資金管理団体「陸山会」の政治資金収支報告書に同被告から借り入れた4億円を記載しなかったなどとして、政治資金規正法違反罪(虚偽記載)容疑で元秘書3人を逮捕、起訴。一方、同被告は嫌疑不十分で不起訴としました。
東京第5検察審査会は昨年4月、同被告が元秘書らと共謀して虚偽記載したとして「起訴相当」を議決。再審査でも起訴議決となりました。これを受け、検察官役の指定弁護士は今年1月、同被告を強制的に起訴しました。
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