2011年10月7日(金)「しんぶん赤旗」
復興財源の怪
みんなで負担 ?
庶民には8兆円増税 大企業は11兆円減税
日本共産党の大門実紀史議員は6日の参院・東日本大震災復興特別委員会で、復興財源のうち、11・2兆円を臨時増税でまかなう政府・与党の方針について、庶民にだけ増税し大企業・大金持ちには減税するものだと明らかにし、「みんなで負担を分かち合うというのなら大企業にも負担してもらうべきだ」と主張しました。 (論戦ハイライト)
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大門議員が追及 参院復興特委
大門氏は、政府・与党案(別表)は、サラリーマンと自営業者には10年間で8・8兆円を増税(所得税等)する一方、日本経団連の求めに応じて、法人税は4・5%引き下げた上で3年間だけ付加税をかけるもので、10年間では差し引き11・6兆円もの減税になるものだと指摘。
「トリック。増税でもなんでもない。減税だ」と述べ、この2年間で240兆円からさらに17兆円も内部留保を積み増した大企業に応分の負担をしてもらうべきだと迫りました。
野田佳彦首相は「法人税減税は国際競争力を確保するため」と弁明。大門氏は「大企業だけ成長しても景気は良くならない」と批判しました。
さらに大門氏は、「庶民増税を言う前にやるべきことがある」として、20%から10%に軽減している大金持ち優遇の証券優遇税制の延長見直しを主張。株で1億円もうけた場合の税金の国際比較を示し、日本の税率が欧米諸国の3分の1程度である事実をあげ、「この異常な金持ち優遇をやめれば10年間で5兆円程度の財源になる。真っ先にやめるべきだ」と求めました。
野田首相は、「景気回復に万全を期すため延長した」と答弁。大門氏は、欧米では大金持ち自らが「私たちに増税してくれ」と発言し、富裕層への課税が流れになっている事実を示し、「世界に恥ずかしい金持ち優遇をやめるべきだ。庶民にだけ負担を押し付けるやり方に反対する」と主張しました。
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