2011年10月3日(月)「しんぶん赤旗」
「ふたばはひとつ」
復興シンポで思い交流
福島
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東京電力福島第1原発事故で警戒区域などに指定され、住民のほとんどが避難生活を強いられている福島県双葉地方の復興を考える「ふたばはひとつ」と題したシンポジウムが2日、福島市の福島大学構内で開かれました。同大学うつくしまふくしま未来支援センターが主催し、双葉地方町村会、同議会議長会が共催したものです。
同大学の入戸野(にっとの)修学長が主催者あいさつし、双葉郡の中学生、高校生が発表、関西学院大学教授で日本災害復興学会会長の室崎益輝氏が基調講演しました。
シンポジウムでは、川内村の遠藤雄幸村長は「心配なのは戻りたいという住民の気持ちがなえてくるのではないかということ。時間を区切ることが必要だ」と発言。第1原発が立地する大熊町商工会の蜂須賀禮子会長は「仮設住宅で商店街づくりを始めている。川内村で早く復興してもらい、『双葉は一つ』でやっていきたい」と語りました。
浪江青年会議所の齋藤重宗理事長は「35人の会員で県内に残ったのは7、8人だったが、少しずつ戻り22人になった。何年ぐらいで戻れるかを早く発表してほしい」と訴えました。3人の子をもつ男性は「地域コミュニティーの最小単位は家族。これがばらばらというのは異常。活性化しない」と切々と訴えました。
福島大学の丹波史紀准教授は双葉8町村の住民実態アンケート調査に取り組んでいる経験を語り、「調査して終わりでなく仮設住宅などに出かけ、結果を返すことが大事だ」とのべました。
センター長の山川充夫学長特別補佐が、コーディネーターを務めました。