2011年10月1日(土)「しんぶん赤旗」
外郭団体から預金集め
新銀行東京 個人預金減の穴埋めに
清水都議が調査を要求
東京都から追加出資を受け経営再建中の新銀行東京(会長・大塚俊郎元都副知事)が個人預金の減少の一部を“穴埋め”するため、都の外郭団体を含む法人預金を増やしていたことが9月30日、明らかになりました。同日の都議会経済港湾委員会で日本共産党の清水ひで子都議が取り上げ、調査を要求しました。
新銀行東京の2011年3月期決算の預金残高は1775億円で、10年同期より314億円(15%)減少しました。個人預金が366億円減る一方、法人預金は52億円(69%)増えました。
清水氏は、都中小企業振興公社、東京動物園協会、東京しごと財団の3団体の新銀行への預金額が10年3月の1億2110万円から今年3月は4億5577万円と3・8倍に増えた事実を指摘。「公益法人には都の幹部、元職員がトップ、幹部にいる。都が働きかけた事実はないのか」と調査を求めました。
産業労働局の斎藤真人金融監理部長は「預金の獲得は新銀行東京の営業努力の結果であると考えている。個別の預金がどのように集まったかを調べる考えはない」と答えました。
清水氏は、新銀行の有価証券利息配当が貸出金利息収入を上回り、長期債券や外国債券の比率が増えていることをあげ、「(銀行に出資した)都民の税金がリスクにさらされている」と指摘しました。
新銀行東京 石原慎太郎知事のトップダウンで都が1000億円を出資し、2005年4月に開業。08年3月期決算で破綻状態に陥り、同年4月に都が400億円を追加出資。都出資のうち約855億円を毀損(きそん)しました。
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