2011年10月1日(土)「しんぶん赤旗」
南西諸島で自衛隊増強
軍事費来年度概算 ヘリ空母4隻目
防衛省は30日、2012年度軍事費(防衛関係費)の概算要求を決定しました。総額は4兆8033億円(特別枠含む、11年度比281億円、0・6%増)です。東日本大震災における復興財源確保の在り方が議論されているにもかかわらず、大幅削減のメスが入らない「聖域」維持、兵器増強を求めています。
このなかで、新防衛大綱(昨年12月決定)にもとづいて新編される陸上自衛隊の「沿岸監視部隊」および、航空自衛隊「移動警戒隊」の配置、展開のための用地を沖縄県・与那国島に取得するための予算を新たに計上しました。
また、空自那覇基地のF15戦闘機部隊を現行の1個から2個中隊への増強に向けた調査費やE2C早期警戒機を南西地域に常時継続的に運用するための整備基盤を整備するなど、対中国を意識した新防衛大綱で打ち出された「動的防衛力」の構築、南西諸島への軍備増強を着実に予算化していることが特徴です。
機種が選定中の次期戦闘機(FX)4機取得に551億円が新たに盛り込まれています。
4隻目となるヘリ空母(ヘリコプター搭載護衛艦DDH)に1190億円。16年度に「除籍が見込まれる護衛艦『くらま』の代替更新」としていますが、「くらま」は5200トン型、すでに2隻配備されている海上自衛隊艦船最大のヘリ空母1万3950トン型に比べても、4隻目は3隻目と同様、1万9500トン型を予定し、代替をはるかに超えます。
沖縄県の普天間基地に代わる新基地建設などの米軍再編関連では、前年度と同額の1470億円で仮置き。SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)関連経費も同様に83億円で仮置きです。
米軍への「思いやり予算」は1870億円(歳出ベース、11年度比12億円増)を要望しています。
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