2011年10月1日(土)「しんぶん赤旗」

避難準備区域を解除

福島原発20〜30キロ圏内 除染が課題に


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(写真)「簡単には帰れない」と口ぐちに語る、緊急時避難準備区域から避難してきた人たち=30日、福島県田村市船引町

 政府の原子力災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)は30日夕、東京電力福島第1原発の半径20〜30キロ圏内に設定(4月22日)した緊急時避難準備区域の指定を解除しました。同区域は福島県南相馬市、田村市、川内村、楢葉町、広野町の5市町村で、人口約5万9000人のうち約3万人が避難しています。

 政府は解除の理由について、原発での重大事故の危険性の低減、自治体の放射性物質除染計画の整備を挙げています。

 しかし住民が戻る前提となる除染は、幼稚園、保育園、学校については一定行われていますが、本格的作業はこれからです。汚染廃棄物の仮置き場の設定も進まず、避難準備区域の大半を占める農地、山林の除染方法も確立していません。

 政府は28日の県内の市町村への説明会で、年間の被ばく線量5ミリシーベルト以下の地域は財政支援しない方針を示しました。

 広野町の担当者は「町全体を除染して住民に戻ってもらう計画を実行しようという矢先に、政府に5ミリシーベルトという線引きをされた。許されることではない」と話しました。

 生業(なりわい)の回復、医療機関、学校の再開などのためにも、まず安心して住民が戻るための除染推進が課題となっています。





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