2011年9月30日(金)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
「はつらつお茶っこ会」は、岩手県大船渡市の仮設住宅で開かれています。五つの仮設で週に1回ずつ▼血圧を測ったり、柔軟体操をしたり。お茶を飲みながらの、ゲーム感覚の運動も楽しい。年配の女性が多いようです。盛岡医療生協の職員が、片道3時間かけて通い、「会」を催します▼盛岡医療生協も加わる民医連は、大震災の直後から、大船渡で医療支援に携わりました。避難所でのリハビリ支援に移ったあと、市から要望されたのです。「仮設住宅でも支援を続けてほしい」と▼『いつでも元気』(全日本民医連)10月号から紹介しました。被災地で、きめ細かい医療の活動がどれほど切に求められているか、よく分かります。まして、あの大震災を生き延びた人が、病院や医師を欠く「医療過疎」のため病に倒れてしまう無念な現実を、誰が受け入れられるでしょう▼医師の仕事は、医師法という法律で定められています。“診療や治療を求められたら、正当な理由がないかぎり拒んではならない”。大震災にあった病院や診療所を再建できず、使命を十分に果たせないとすれば、医師の無念も深い▼きのうの参院予算委員会で、日本共産党の市田書記局長が提案しました。どの病院、どの診療所も公共の役割を果たしているのだから、再建を助けるにあたり、民間か公的病院かで差をつけないように―。厚労相は、応じたかと思えば拒むなど、要領をえません。野田首相、人の命より大事なものがあるというのなら、いってみてほしい。