2011年9月30日(金)「しんぶん赤旗」
放射能除染 5ミリシーベルト「線引き」許せない
志位委員長が会見
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日本共産党の志位和夫委員長は29日、国会内で記者会見し、政府・環境省が28日、追加被ばく線量が年間5ミリシーベルト未満の地域の除染に対し国が財政支援を行わない方針を表明したことについて、「除染への国の責任を放棄するものであり、自治体から厳しい怒りの声があがっている」と厳しく批判しました。
志位氏は、こうした「線引き」を行えば、福島県内でもごく一部しか財政支援の対象にならず、福島県外はまったく対象外になると指摘。「政府が発表している除染の基本方針でも、27日の衆院予算委員会の質疑での首相の答弁でも、政府はともかくも『除染は国が責任を持ってすすめる』ということを述べている。自らの方針や言明に照らしても、こうした不当な『線引き』を持ち込むことは、国民や子どもたちの命に責任を負わない、まったく許し難い態度だ」と強調しました。
そのうえで、志位氏は、「『被ばくは少なければ少ないほどよい』を放射能対策の大原則にすべきで、絶対に線量で『線引き』をやってはならない。除染に必要な財政支出は全面的に国が責任を負い、東電に賠償責任を果たさせるという態度で臨むべきだ」と語りました。
志位氏は、政府・環境省がこうした「線引き」をするのは、原子力災害をできるだけ小さくみせ、財政を出し惜しむためであり、「そのことで原発に固執しつづけようという態度が根底にある」と批判。「除染は文字通りの国を挙げての一大事業となる。そういう構えと覚悟で、政府が全面的に責任を負うように、強く求めていく」と強調しました。