2011年9月29日(木)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 地元の共産党後援会の集まりでのこと。元国語教師の幹事さんが、“教材”を配り始めました▼『日本書紀』の引用の写しでした。「現代語訳の方を読んでみますよ」と幹事さん。「天武天皇十三年(684年)」の十月。「十四日、夜十時ごろ大地震があった。国中の男も女も叫び合い逃げまどった。山は崩れ河はあふれた」▼四国のようすを記しています。「伊予の道後温泉も、埋もれて湯が出なくなった。土佐国では田畑約一千町歩が埋まって海となった」。もっとも古い南海地震の記録です。「白鳳(はくほう)地震」ともよばれます▼『日本書紀』は続けます。「この夕、つづみの鳴るような音が、東方で聞こえた。伊豆島…ひとりでに三百丈(約900メートル)あまり広がり、もう一つの島になった」。伊豆大島の噴火とされる異変です▼南海地震は、四国の沖から駿河湾にのびる海底の細長い谷、「南海トラフ」が引き起こす地震です。だいたい100年周期。東となりの東南海との「2連動地震」、さらに東の東海をふくむ「3連動地震」も起きています。「白鳳地震」も3連動型とみられてきましたが、最近、裏づける新しい証拠がみつかりました▼東南海の震源域、三重県志摩市の沿岸の地層を調べると、「白鳳地震」の津波で積もったらしい生き物の死がいなどがあった―。「巨大な連動型地震がいつ起こっても、『想定外』とはいわせませんよ」と幹事さん。一同、うなずきました。いまも行方不明の人の捜索が続く東北に、思いをはせながら。





もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp