2011年9月28日(水)「しんぶん赤旗」

原発大国 仏政界「撤退」要求も

エネ政策、大統領選争点か

産業相「25年までに半減検討」


 【パリ=小玉純一】電力の8割近くを原発で賄う原発大国フランスの政界で最近、「減原発」や「原発撤退」の主張が相次いでいます。来春の大統領選挙の争点に浮上しそうです。

 最大野党の社会党は今、大統領候補を決める予備選の最中。15日のテレビ討論で、最有力候補とされるオランド前第1書記は電力の原発依存率を2025年までに50%に減らすと述べました。一方、07年大統領選挙の候補者で再挑戦を目指すロワイヤル元家庭・児童担当相は40年以内に原発から撤退することを主張。もう一人の有力候補、オブリ第1書記は、より早期の原発撤退を主張しました。

 これを受けベッソン産業エネルギー相は翌16日、ルモンド紙に対し、25年までに、総発電量に占める原発の割合を半減するシナリオを検討することを明らかにしました。

 同国の週刊紙ジュルナル・デュ・ディマンシュが6月に公表した世論調査によると、回答者の77%が原発から即時あるいは段階的に撤退すべきだと答えています。

 フランスは新型原子炉EPR(欧州加圧水型炉)をノルマンディーのフラマンビルに建設中。ベッソン氏は16日、「EPRを断念するなら、耐用年数40年になる原発の代わりに何を使うのか」と問い、「大統領選挙で候補者たちの立場を見ることになる」と発言。エネルギー政策が大統領選の争点となる見通しを示しました。

 ロワイヤル氏は24日、リベラシオン紙のインタビューで、40年以内の原発撤退に再度言及。EPR建設停止と、廃炉技術と再生可能エネルギーの研究へ方針を転換するよう主張しました。

 再選を狙うサルコジ大統領は22日、ニューヨークの国連本部での演説で、原発維持の立場を強調しています。





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