2011年9月27日(火)「しんぶん赤旗」
難解な攻防戦制す
第36期囲碁新人王の村川七段
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関西棋院の村川大介七段は26日に東京・日本棋院でおこなわれた第36期新人王戦決勝3番勝負第2局を制して新人王獲得を決めました。
立ち会いの大矢浩一九段の「時間になりました」の言葉で始まった第2局。黒の安斎伸彰六段は右上と右下を、白の村川大介七段は左下隅、左上隅を、それぞれ占めました。
左下の黒石を切断した白18がいつ動き出すかが注目されました。昼食休憩を挟み、白34で動き出し、盤中央でどちらの石が強いか、一進一退の難解な攻防戦が繰り広げられました。
検討陣からは、「白が悪いか」と見られたものの、途中から「黒、変調か」との見方も広がりました。上辺の黒模様の中で白が生きた時点で控室では「立派な生きだ」(大矢九段)の声があがり、この後はずっと形勢は「村川七段良し」の評価でした。「最後は白が手堅く勝ちきった」(同)と評しました。
敗れた安斎六段は局後、「途中までは打てるかと思っていた。時間を余そうと考えて打っていたが、不用意に打ったノゾキで悪くした」と述べました。
また関西棋院の今村俊也九段(第9期新人王)は「ラストチャンスをものにして、村川くんにとっても、関西棋院にとっても良かった。この優勝を機に他の棋戦でも活躍してくれることと思う」と期待を寄せました。
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