2011年9月26日(月)「しんぶん赤旗」
米原子力空母いらない
横須賀母港化3年 4500人超が抗議
放射能から子守りたい
神奈川県の米海軍横須賀基地に米原子力空母ジョージ・ワシントンが配備されて丸3年の25日、「原発ゼロへ! 原子力空母はいらない!」と訴える抗議集会が同基地近くの横須賀市ヴェルニー公園で行われました。「『原子力空母はいらない』の運動を地元と首都圏で大きく広げる」とのアピールを採択。母港撤回を求める国会請願署名運動をスタートさせました。
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集会は、福島第1原発に匹敵する原子炉を積んだ原子力空母の母港撤回を求めるもの。安保破棄中央実行委員会、原子力空母配備阻止神奈川県闘争本部などが主催しました。08年9月に母港化が強行されて以降の集会としては最大規模、主催者発表で4500人を超える人たちが各地から参加しました。
子どもと一緒に参加する母親の姿が目立ち、「人が集まっていたので、来てみました」と語った母親も、2歳児の手を引いていました。参加者は、手作りのプラカードやゼッケン、タペストリーを持ち寄り、ペットボトルでつくった風車も登場しました。
感動を呼んだのは、神奈川県綾瀬市に住む1児の母親、高園薫さん(35)=新日本婦人の会=の訴えでした。マイクの前に立つなり涙ぐみ、言葉に詰まりながら、「原子力空母は、今すぐアメリカに帰ってほしい」と話しました。
川崎市の女性(36)も、3人の子どもと一緒に参加。1歳児の服には「ボクたちを守って」と書いたゼッケンを縫い付けました。
全労連の小田川義和事務局長が主催者あいさつに立ち、「首都圏に暮らす3000万人の命と健康を脅かす原子力空母撤去の運動を巻き起こそう」と訴えました。
福島県農民連の亀田俊英会長は「全国を回って、原発ゼロの声を広げている」と語り、「浜岡原発の危険から住民を守る会」の清水澄夫会長は「浜岡原発の廃炉に向けて全力で頑張る」と決意を表明。「原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会」共同代表の呉東正彦弁護士は「いま、みんなで力を合わせれば、状況を変えることができる」と強調しました。
集会には、相模原市長と湯河原町長からメッセージが寄せられました。
この日は同じ場所で、神奈川平和運動センターなどが主催する母港化3周年抗議・原子力空母配備撤回を求める集会も開かれました。
母港撤回を実現しよう
井上議員が来賓あいさつ
集会では、日本共産党の井上哲士参院議員が来賓あいさつしました。
井上氏は、「母港化で原子力空母が年間150日以上も横須賀港にとどまることは、原発を設置することにほかならない」と指摘。地震による海底の隆起と津波の引き波で、艦船が海底に接触する危険性などを明らかにし、「世論と運動を広げて母港撤回を実現しよう」と呼びかけました。
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