2011年9月25日(日)「しんぶん赤旗」
法人税減税やめれば庶民増税必要ない
復興財源 10年で12兆円 財務省試算ではっきり
法人実効税率(国と地方の合計)の5%引き下げをやめれば、野田佳彦内閣が震災復興財源確保のために打ち出した庶民増税が必要ないことが分かりました。
財務省は昨年12月に、11年度税制「改正」による法人税収(国税)の増減収見込みを試算していました。それによると、法人税(国税)の基本税率を4・5%引き下げた場合の減収額は、単年度で約1兆2000億円(平年度)と見積もっています。
民主党政権が2011年度税制「改正」で打ち出した法人実効税率の5%引き下げ(法人税率は4・5%引き下げ)を実施しなければ、単年度で1兆2000億円(国税、平年度ベース)の増収になります。10年間で得られる法人税収は約12兆円。政府税制調査会が打ち出した総額11・2兆円とする臨時「増税」の規模を上回ります。
政府税調は16日、東日本大震災からの復興・復旧の財源を賄うために、所得税と法人税を軸とする臨時「増税」案を提示。所得税に一定割合の付加税を課すとともに、11年度税制「改正」に盛り込まれた法人実効税率の5%引き下げを実施した上で、法人税に1割の付加税を課すことを打ち出しました。
臨時「増税」といいながら、法人税は、現行30%の法人税率(国税)を25・5%に引き下げた上で1割増税するため、現行の30%と比べると実質2%程度の減税となります。
所得税と法人税の「増税」を軸とする案では、所得税増税の総額は、10年間で約7・5兆円規模を見込んでいます。同案では、年収400万円の夫婦子ども2人のサラリーマン世帯では、年間2400円の増税となります。
法人実効税率の引き下げを10年間先送りするだけで、庶民増税の必要はありません。
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