2011年9月24日(土)「しんぶん赤旗」

賃上げ・教育・緊縮政策…

世界で労働者・学生行動


 労働条件の改善や公教育の無償化、緊縮政策の撤回などを求めて、各地で労働者や学生が立ち上がっています。


教員スト“最賃上げよ”

エジプト

 【カイロ=伴安弘】エジプトで17日から22日まで、公務員給与の引き上げと教育条件の改善を要求する教員の全国ストが行われました。同国での教員ストは1951年以来初めてです。

 全国ストを呼び掛けたのは独立教員組合など草の根の組織。教員など公務員の最低賃金を月額1200ポンド(約1万6000円)に引き上げることや教員評価テストの廃止などを求めています。教育省は17、18両日のストの参加率が0・6%だったと発表しましたが、教員の調査では65〜75%の授業が行われなかったといいます。

 先週、数千人の教員がシャラフ首相とムーサ教育相に対し要求を受け入れない場合にはストに入ると通告。シャラフ首相は、賃上げは困難として要求を拒否していました。

 エジプトの教員の給与は低く、真面目に教育に取り組もうという教員の意欲をそいできました。また放課後の私的な授業で高額の「授業料」を稼ぐ教員が出るなど、貧富の格差を広げる背景にもなっていると指摘されています。

 政府系紙アルアハラム(電子版)によると、ストに参加したある教員は「16年間勤務してきたが、給与は月900ポンド。エジプトで暮らすには最低月1200〜1500ポンドは必要だ」と語っています。

緊縮抗議 ゼネストへ

ギリシャ

 ギリシャ政府が21日に新たな緊縮策を閣議決定したことに対し、公務員労組ADEDYと民間労組GSEEは同日、来月19日にゼネストを実施することを発表しました。

 労組は22日にもストを行い、首都アテネ市内の交通機関は、まひしました。

 ADEDYのイリオプロス書記長は、ロイター通信に対し「政府の計画を失敗に追い込むまでたたかい続ける」と述べました。

 政府は今回の措置で、国際通貨基金(IMF)などからの融資を確保するため、所得税が免除される年収の上限を現行の8000ユーロから5000ユーロにまで引き下げるほか、月額1200ユーロを超える年金について一律20%削減するとしています。

教育充実へ18万人デモ

南米チリ

 【メキシコ市=菅原啓】南米チリで22日、私立学校を優先する新自由主義的な教育制度を改革し、公教育の無償化や抜本的な拡充を求めるデモが行われました。首都サンティアゴでは大学生、高校生、父母、教員など約18万人(主催者発表)が参加し、過去最大規模の行動となりました。

 学生の運動は約4カ月にわたり続いており、8割の国民が支持を表明しています。運動の広がりを受けて、政府は今月に入り、学生代表との交渉を呼び掛ける姿勢に転換しました。

 学生側は、交渉開始の「最低条件」として、政府が学生との事前の協議なしに国会に提出した学生向けローン制度の「改善」法案の一時凍結や、4カ月にわたる休講で失われた授業時間数を回復するための学期末延期などを提案。しかし、政府はこの要求を拒否しています。

 チリ大学生連合のバジェホ議長は22日、政府に対して交渉開始の条件を受け入れるよう改めて要求しました。





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