2011年9月24日(土)「しんぶん赤旗」
被災者奨学金 返済免除も
生活基盤破壊なら全額・一部
東日本大震災で住居や勤務先など生活基盤や事業基盤が被害を受け、国(日本学生支援機構=旧日本育英会)の奨学金が返せない人、返せなくなるのが確実な人について、返済を免除できるようにすることが、23日までに分かりました。将来にわたって全部または一部を返済しなくてすむことになり、被災者に朗報です。
返済免除はこれまで本人死亡か重度障害の場合だけで、それ以外は返済を一時先に延ばす返還猶予か、返済期間を延ばす減額返還しかなく、いずれも全額返済が必要でした。
返済免除は、政府方針を受けて決定された「私的整理に関するガイドライン」(8月22日から適用)に沿って実施。同機構は「ガイドライン運営委員会を通して提示された債務整理方法にならい、一部または全額を免責とする」としています。
多くの場合、親が連帯保証人となっていますが、同ガイドラインは「基本的には保証人には返済を求めない」(ガイドライン運営委員会事務局)立場をとっています。
返済免除は、日本学生支援機構に申請。文科省は、免除分について国が同機構に補てんするとしています。
個人の私的整理に関するガイドライン 被災者の生活や事業の再建支援のため、金融機関とお金を借りている個人とが話し合いで債務(借金)の減免を行うための金融機関などの自主的ルール。同運営委員会は個人の返済免除の申請などを無料で手助けします。連絡先電話0120(380)883