2011年9月20日(火)「しんぶん赤旗」
住民本位の復興訴え
宮城県の構想批判 被災者ら決議
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宮城県の被災者や県民が発言する県民版「復興会議」が19日、仙台市で開かれました。東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センターの主催で県民約100人が参加。県の「復興計画」の根本的な見直しを求める運動を呼びかける集会決議を採択しました。
同センターの綱島不二雄代表世話人が、「県民のための復興計画を作りたい」とあいさつ。菊地修事務局長が、県の復興計画に対する同センターの提言を解説しました。
県漁協の船渡隆平専務理事が特別報告。漁業者の被災の現状と再起に向けた動きを紹介し、「漁業者が望んでいるのは元の生活に戻ることだ。企業がよそから来て、どうにかできる問題ではない」と県の「水産特区」構想を批判しました。
各分野から9人が発言しました。市民自ら放射能を測定して除染を市に提言する栗原市の取り組みや、牛の肥育農家からは枝肉の価格が下がり、東京電力に補償を求める運動が報告されました。
被災を理由にした解雇とたたかうソニー労組の組合員は、自分たちの問題が被災地の復興の遅れの原因と根は同じと指摘し、「一石を投じたい」と発言しました。
日本共産党の遠藤いく子県議は、石巻ブロックのがれき処理を大企業に一括発注した問題を議会で追及したことを報告しました。
上から押しつけノー 福島でシンポ
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東京電力福島原発事故による放射能汚染のもとで、「福島の復興を考える」と題したシンポジウムが19日、福島県郡山市内で開かれ、自治体関係者や各団体代表、研究者などが参加しました。福島自治体問題研究所が総会の一環として開いたものです。
パネリストの鈴木浩・福島復興ビジョン検討委員会委員長(福島大学名誉教授)、菅野典雄・飯舘村村長、平岡和久・自治体問題研究所副理事長(立命館大学教授)が報告。コーディネーターは兼田繁・福島自治体問題研究所副理事長(福島大学教授)が務めました。
鈴木氏は、「応急的復興、生活再建支援、市町村の復興支援という緊急対応がまず大事だ。政府の復興構想は、一生懸命やるのでそれまではがまんしてくれというもの」とのべました。
菅野氏は、「(村民参加の)村づくりの10年計画が7年目に入ったとき、このありさま。しかし、大変な目にあい、見えてきたものがある。生き残り策だけでなく将来の日本のあり方ということだ」と強調しました。
平岡氏は、「4月ごろ上からの復興の押しつけがあり、市町村が基本だと緊急提言を出した。生活の再建と雇用・生業(なりわい)の再建、コミュニティーの再建を一体的に」と語りました。
参加者から、避難先の自治体との連携、原発事故による除染や損害賠償などについて質問が出され、各氏が答えました。