2011年9月15日(木)「しんぶん赤旗」

第一生命 政界工作1億円超

自・民議員からパー券購入 参考人質疑の短縮要求

04年度から7年間


 保険金の不払いをめぐる第一生命(本社・東京都千代田区、渡辺光一郎社長)の政界工作問題で、同社が自民、民主両党の国会議員から購入したパーティー券は7年間で総額1億円を超すことが14日、同社の文書でわかりました。また、不払いをめぐる国会の参考人質問で同社の要望を受けた自民党の石原伸晃幹事長ら4人の同党議員が質疑時間短縮に動いたことも判明しました。

 この文書は、渡辺社長による政界工作が会社に損害を与えたとする株主代表訴訟で、同社側が東京地裁に提出した「意見書」。

 同文書によると、2004年度からの7年間に1億108万6000円のパーティー券を購入していました。(表参照)

 年度別でみると、06年度、07年度が突出。この時期は、保険金の不払い問題で、金融庁が生保各社へ調査命令を出し、処分を検討していたころです。

 さらに文書では、07年5月18日の衆院財務金融委員会での質疑時間の短縮をめぐり、自民党議員に同社が働きかけたことにもふれています。

 この委員会は、当初、大手生保4社の社長をそれぞれ招致する予定でした。これを知った同社調査部は、山本明彦筆頭理事(当時、自民党)に、1人しか招致されなかった損保業界と「同一の条件で参考人招致してほしい」と要請。さらに、石原幹事長や金子一義元国土交通相、尾身幸次元財務相にも働きかけていました。

 この結果、生保業界からも、当時の斎藤勝利生命保険協会長(第一生命社長)だけの招致に急きょ変更になったとしています。

 同社に協力した石原氏のパーティー券を494万円分(04年度からの7年分)、尾身氏から531万円分、金子氏から270万円分、山本氏から20万円分を購入していました。

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