2011年9月10日(土)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 7日付で“連絡がとれない”と書いた、和歌山県田辺市の友人は無事でした。彼は、電話の向こうでほかの被災地を気遣いました▼「明治時代の台風で村民が北海道へ移住した十津川(とつかわ)村が、また大変なことに。震災に台風、なにが起きるか分からない時代に入っているみたいで…」。過去にも、大災害が続く年はありました▼東海、紀伊半島や四国などを襲った宝永地震と富士山の噴火が重なる1707年。終戦の年、いずれも2千を超える人命を奪った三河地震と枕崎(まくらざき)台風の1945年…。先人たちは、世の無常をなげきつつ、営々と災害とたたかってきました▼東日本大震災から、あすで半年。いまも避難所でくらす人が多くいます。原発事故で故郷を追われた人々は、いつ帰れるのでしょう。一日も早い復旧・復興を願いながら、災害列島の上の国のあり方を考えざるをえません▼世界に誇る経済大国、憲法が人の生きる権利の保障を定め、科学が自然のしくみをより深く解き明かせるようになった日本。いま、その国にふさわしく、災害から人と財産を守るようにできているか。現実は、災害対策の予算を減らし、津波や地震に耐えられない原発の真実を「安全神話」の偽りで塗り固めてきた日本でした▼8日、旧安保条約を結び60年たちました。「国を守る」といいつつ、実は戦争国家アメリカに国土・人・金をさしだす。人を殺す戦争の下請けでなく、命を救う防災国家と胸を張れる国でありたい。やはり、国のあり方にかかわります。





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