2011年9月9日(金)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
知人の紹介でお借りした測定器で、身近なところの放射線量を測ってみました。都内の地元の共産党後援会が催した測定会です▼子どもが出入りする数カ所の公園を回りました。どこもとくに危険な値でなく、一安心。数字の違いは、はっきり出ました。たとえば、巨大マンションの風下や木陰の多い公園では低い▼ある民家の場合、心配していた花壇はふつうの値でした。ところが、数メートル横で花壇の30倍を記録しました。雨どいの水が落ち込む、雨水ますにたまった泥からです。まったく、どこがどうなっているか測ってみないと分かりません▼ドイツの公共放送ZDFが先月末、福島からの報告を放映しました。番組に、福島第1原発から80キロ離れた農家の人が登場します。彼は、野菜の検査を行政に頼み、断られました。原発から遠く調べる必要はない、と。そこで、隣町の市民測定所に持ち込みます▼案の定、ジャガイモが危ない。同じ測定所が調べた60キロ圏のシイタケの汚染は、基準の十数倍。担当者がいいます。「もはや食べ物ではない。放射性廃棄物です」。まったく、測ってみないと分かりません▼市民測定所をつくる運動が盛んなのも、うなずけます。農民運動全国連合会(農民連)は、資金を広くつのって高性能の装置を買い、東京と福島に置きます。厚労省や文科省も使っている、2千万円近い分析装置を1台。やはり放射能の種類が調べられる、1台500万円ほどの測定器を3台。行政任せでは間に合わない現実ですから。