2011年9月9日(金)「しんぶん赤旗」
八重山で逆転不採択
教科書「つくる会系公民」教育委協会が総会
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沖縄県の八重山地区で来年度から4年間使用する中学校社会科「公民」教科書について、同地区内の石垣市、竹富町、与那国町の教育委員が8日集まって協議した結果、「つくる会」系育鵬社版を不採択とし、東京書籍を採択しました。
この間、石垣市と与那国町の2教委が育鵬社版を採択し、竹富町教委が東京書籍版を採択して、同一地区内で教科書を1本化できませんでした。
同日は、県教育委が議論の“交通整理”として同席する中、3市町の教育委員(13人)でつくる八重山地区教育委員協会(会長・仲本英立石垣市教育委員長)の臨時総会として始まりましたが、玉津博克石垣市教育長が「県教委の指導は違法」と突然発言、冒頭から騒然となりました。
崎原用能(ようのう)与那国町教育長も協議拒否の姿勢に終始。県教委が法的根拠を示して協議の必要性と正当性を指摘する場面が何度も見られました。
午後2時から始まった協議は、協議を拒否する玉津、崎原両教育長が退席。崎原教育長がもどらぬまま午後7時25分、先に採択地区協議会が答申した育鵬社版を反対多数で不採択としました。
午後8時、協議が終了すると、詰めかけていた100人近い市民から拍手と歓声がわきました。元市教育長の仲山忠亨(ちゅうきょう)氏は「市民の願いが通った、教育がもどった」と喜びを語りました。
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